ハミガキ(歯磨き)で歯のホワイトニング
汚れを落とすなら、歯磨きで充分に可能。
日常の歯の汚れを取るのであれば、歯磨き粉でも十分に効果があります。
但し、あまり強い研磨剤の歯磨き粉を使うと歯の表面が削れて、逆に着色しやすくなるので、注意が必要です。
◎歯磨き(ハミガキ)で黄ばんだ歯を白く(ホワイトニング)できる?
結論から言うと、これは難しいです。
黄ばみの原因である有機着色物を分解できるのは、今のところ過酸化水素などの過酸化物だけ。
現在の日本では、市販できる歯磨き粉には過酸化水素を混ぜて販売することは禁止されています。
アメリカから通販で過酸化水素入りの歯磨き粉を購入することは可能です。
この場合の注意点として、過酸化水素の反応を引き出すには10分以上は歯の表面に定着させておくことが必要なこと。
数分磨くだけでは十分に漂白作用させることは難しいでしょう。
■歯磨き粉のホワイトニング成分の見方について
白くなるハミガキ粉(ホワイトニング効果がある)の成分には、
・歯を漂白して黄ばみを取るホワイトニング成分
・歯の汚れを研磨して元の白さを取り戻す研磨成分
があります。
過酸化水素は、歯を漂白して白くする成分。
濃度の高いものが、歯科医院で行うホワイトニング剤に含まれています。
(尚、日本では、過酸化水素入りの歯磨き粉は、薬事法の関係で店頭販売が禁止されています。)
アメリカ歯科医師会(ADA)は歯科医師の薦めや、指示のもとでのみブリーチングを行うべきだとしています。
歯についたコーヒーやお茶などの茶渋、タバコのヤニなどの汚れを取り除く場合は、研磨剤で落とすことになりますが、本来、歯ブラシがしっかりとあたっていれば、研磨成分がなくてもむし歯や歯周病の原因であるプラー
ク(歯垢)や付着したばかりの汚れは十分に落とすことが可能です。
ただ、歯ブラシを歯に当てるということが簡単なようで非常に難しく、プラーク(歯垢)が 固まった歯石は歯科医院でないと落ちなくなり、汚れも時間とともにこびり付くので、 研磨剤で落とすことになります。
この研磨剤は、要するに歯を削るわけですから、研磨剤が多く入っているハミガキ粉を頻繁に使うと、歯の表面がデコボコになり、かえって歯に汚れが付着しやすくなります。(凹凸に入り込んでこびりつく)
ホワイトニング用ハミガキ粉と謳っている商品には、この研磨成分が多く入っています。
研磨成分には次のようなものがあります。
重炭酸ナトリウム
リン酸水素カルシウム
陶土
ベントナイト
シリカ
炭酸カルシウム
酸化チタン
卵殻
ヒドロキシアパタイト
歯のホワイトニング剤の成分について
歯のホワイトニング剤とは、過酸化水素のこと
オフィスホワイトニングの主成分は過酸化水素、ホームホワイトニングは過酸化尿素を主成分としています。
過酸化尿素は酸化反応の課程で、過酸化水素に変化するため、ホワイトニング剤とは過酸化水素のことであると言っていいと思います。
過酸化尿素は過酸化水素に比べて酸化反応がゆっくりなため、時間をかけて行うホームホワイトニングに適しています。
過酸化水素は、オキシドールと同じ成分です。
オキシドールは過酸化水素3%で、ホワイトニングに使用する過酸化水素は35%、過酸化尿素は10− 21%を使用します。
□過酸化水素の安全性について
低濃度のものは、オキシドールに代表されるように安全で広く普及しています。
しかし高濃度のものになると爆発の危険性があります。
消防法では出火しやすい化学製品の運ぶには「危険物取扱(とりあつかい)者」の資格を持つ人が携わるよう定めています。
過酸化水素は濃度が36%以下ならば「危険性は薄(うす)い」とされており、35%の過酸化水素が漂白用として広く流通しています。
ホワイトニングに使用する薬剤には、過酸化水素以外に増粘剤と触媒を使用します。
過酸化水素単独だと、液体のため、流動性が良すぎて歯の表面に一定時間留まってくれないことと、すぐに乾燥してしまうため十分な漂白効果を得ることができず、増粘剤としてシリカやグリセリンなどの無機化合物を使用し、歯の表面で長時間作用するようにします。
触媒は、過酸化水素の酸化反応課程で生じるフリーラジカルの量を増やすために使用します。
触媒では、 酸化チタン等が代表的です。
アメリカでは既に広く普及している歯の「ホワイトニング」
日本でも厚生労働省で歯のホワイトニング用薬剤が認可されました!
審美歯科などで健康な歯を削らずに歯を白くする方法がホワイトニングです。
歯はもともと真っ白ではなく、わずかに黄ばんでいるのが普通です。それをより白くする方法がホワイトニングです。(審美性の追求)
ホワイトニングには、審美歯科や歯科医院のみで行うオフィスホワイトニングと、主に家庭で器具を使って行う、ホームホワイトニングがあります。
またこれら2つを併用することもあります。
これとは別に、神経をとった後に、歯が黒ずんだりすることがあり、それを元の白さに戻す治療法がありますが、これと、いわゆるホワイトニングとは区別されています。(ウォーキングブリーチ法)
アメリカでは大変ポピュラーなホワイトニングですが、近年日本でもホワイトニングを行うための薬剤が厚生労働省で認可され、浸透し始めています。
憧れの芸能人のような白い歯!
今後、日本においても欧米のように一般的にホワイトニングが広く関心を集めそうです。